【農と食の体験】とるたべる『おいしいを、掘り起こそう』

「おいしいを、掘り起こそう」をテーマに、愛知県の知多半島、先端にある南知多町にて農業をやっています。みなさまがさらに農に触れる機会を増やしたり、お野菜が「おいしい!」と思える瞬間を増やしていくことが私たちの使命です。

「アッパーロータリーを使う必要のない畑」

こんにちは、とるたべるのスギヤマです。

今日は「アッパーロータリー」という機械を使って、
畑を耕しました。

 

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アッパーロータリー

前回、
「土がゴロゴロで上手に定植作業ができない!」
と嘆いていたところ、先輩農家の丸山さんが貸してくれた機械です。

この「アッパーロータリー」は、普通の耕運機とちがい、
特殊な機構をしているので、

「ごろごろな土は下へ、サラサラな土は上へ」

と土の表面を作業しやすくしてくれる機械です。

ぼくがいまやりたいのは
「活着(根がちゃんと根付くこと)をスムーズにさせてあげたい」
ということ。

野菜の苗を、畑に定植すると、
苗がその畑に根を張って、自分の力でそだち始めるまでに、
ちょっとタイムロスがあるんです。

活着がうまくいかずに枯れてしまう苗もよくあるくらいで。

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順調に育ったポット苗

意外と、この「苗」というのは
このポットの大きさの中でだけ根を張って育つので、
急に外の環境に置かれても、すぐにはそこになじんでくれません。
転校生みたいなもんですね。

このときに土がゴロゴロだと、
苗も、自分が根を張る場所を上手に探せず、
なかなか畑になじめません。

不良生徒ばかりのクラスに入れられたようなもんです。
不安でドキドキなのに、これではツラい。

が、この「アッパーロータリー」はその土もサラサラな状態にしてくれるので、苗が上手に根を張れる、というすぐれもの。

伝説の教師みたいな人が、クラスを急にまとめてくれた感じですね。すごい。

ですが、やっぱりこれも結局は表面的な解決であって、
「畑」そのものがいい状態になったわけじゃないんです。

結局その表面化では、状態の悪い土たちが待っているわけで、
植物もそこから先には根っこを伸ばしにくいです。

なので、ぼくがやらなくてはいけないのは

「このロータリーを使わずにも、
 苗がスムーズに育ってくれる畑」

を目指すことなんです。使ってちゃダメ、というか、
とても対処療法的です。

「今はいいけど」になってしまいます。
補助的につかうなら良いのですが、
これが良いからと言って、これに頼っていていは畑はよくなっていきません。

先輩の丸山さんも、
「最近はぜんぜん使わなくなったから、好きにつかってー」
とのことで、自分も目指さなくちゃいけないのはここなんです。

「アッパーロータリーを使う必要のない畑」

まだまだ簡単にはいきませんが、農業は長期戦。
長い目で見て取り組んでいこうと思います。

今日も最後までありがとうございました。
目の前のことに甘えたくなったり、にげたくなったり。自分との戦いです。スギヤマでした。

◎4/22(日)こちらの「畑でモーニング」イベント、まだ残席ありそうですので、よければご参加ください。facebookにとびます。https://www.facebook.com/events/342775516356929/