【農と食の体験】とるたべる『おいしいを、掘り起こそう』

「おいしいを、掘り起こそう」をテーマに、愛知県の知多半島、先端にある南知多町にて農業をやっています。みなさまがさらに農に触れる機会を増やしたり、お野菜が「おいしい!」と思える瞬間を増やしていくことが私たちの使命です。

「このお野菜はいくらで売りますか?」

 

みなさん、こんにちは。

とるたべるのスギヤマです。

 

 

出荷作業が苦手です。

はい。

 

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農家にとって

いちばんたいせつな作業のひとつ

 

「出荷(しゅっか)」

 

たいせつにそだてたお野菜を売ることで、

野菜をお金にかえるとても大事な作業です。

 

 

出荷しなければ、

農家さんはお金をもらえません。

 

 

出荷しない野菜づくりは趣味ですね。

農業とはよべません。

 

 

出荷こそが農家の仕事であり、

基本であるわけであります。

 

が。

 

この「出荷」が、また、むずかしいのです…。

 

 

一般的なお野菜には、

基本的に「規格」というものがあります。

 

 

「この何cm以上は「Lサイズ」なので単価は〜円ですよー。」

とか、

「この色は秀品で、この色は規格外になりますよー。」

とか。

 

規格で決められて、それに見合った「相場」というものがあります。

 

 

ですが、ぼくらのように、

「自分でつくったものを自分で売る」

っていう人は、基本的にこの

「規格」「相場」がありません。

 

自分がつくったものに、自分で価格をつける。

 

これがまた…。

 

 

◆◆◆

 

 

例えばこのクウシンサイ。

 

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パッと見たようすは、普通なんですが、

 

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こんなスレ傷があったり、

 

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むしがかじった跡があったり…。

 

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くるっと、むしが隠れていたり…。

 

 

ひとつのお野菜でも、たくさんの

「これはどうなんだろう…」

 

が隠れております。

 

 

「これくらい、まいっか!」

としてしまうのは簡単です。

 

 

が。

 

 

こういうものを「良し」として売るのか。

それとも「ダメ」として捨ててしまうのか、

はたまた値下げするのか。

 

こういった判断はすべてじぶんでしなくてはいけません。

 

それを買ったお客さんが、

 

「高いじゃないの!」

「なあに、せっかく買ったのにいたんでる!」

「こんなもの買って損したわ!」

 

なんてなれば、

もう一生ぼくらのお野菜は買ってくれないかもしれません。

 

この商品ひとつを出荷するだけでも、

毎回、毎回の試行錯誤…。

 

「これで良いんだろうか」

「これはやめておこうか」

 

そんな判断がとてもむずかしいのです。

 

言ってもらえることばかりではないですからね。

静かに、売上が下がっていくだけです。

 

 

シビアな世界ですね。

 

 

ちゃんと良いものばっかりつくれれば、

こんな悩みも少ないのですが、

 

じゃあ「良いものって何?」ってなっていったり。

 

なかなか悩みはつきませんね。

 

こんな「自分で判断しなくてはいけない」この世界。

やっぱり農業はむずかおもろいです。

 

みなさんも、ぜひお野菜を手にとるさいは、

そんな農家さんの葛藤を感じながら選んでみてくださいね。

 

ひとつひとつのお野菜に、

そんなストーリーが隠れております。

 

 

今日もお読みいただきありがとうございました。

スギヤマでしたm(_ _)m